対面型コミュニケーションが中心であった時代の想像をはるかに超える規模の情報が, Twitter のようなソーシャルメディアを介して急速に拡散し, 私達の生活に大きな影響を及ぼす時代になりました.災害や重大な事件などの発生,話題性に富むニュースの報道があると,ソーシャルメディアに様々な書き込みやそのコピー(リツイートなど)が大量に投稿され,やがて沈静化する様子が見らます.これは人々の関心がソーシャルメディア上に表出した現象であり,それら現象の差異から現実の各事象の社会への影響度を測ることができると考えられます.
私達は, Twitter API により収集した大量のツイートを分析し, そこにどのような特徴が見られるか,またそれらの特徴はどのような人間の行動特性から生じているか,といった研究を行っています.例えば,10万件を超えてリツイートされるツイートがある一方で,大半のツイートのリツイート数は1件以下であり,平均リツイート数は一般にせいぜい数件であることが確認されています.私達は,人々がツイートの内容よりも,むしろリツイート数や「いいね」の数を基準にリツイートするツイートを選ぶ傾向があると仮定することで,この現象を説明できることを明らかにしています.
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